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タンザナイト/TANZANITE ~古今が溶け合う神秘石~

目次

タンザナイトの魅力

「タンザナイト」という名称は、青紫色をした灰れん石(かいれんせき、zoisite、ゾイサイト)の宝石名として用いられています。バナジウムが含まれた美しい青紫が特徴の灰れん石を「タンザナイト」といいます。タンザニアで発見されたこの鉱物に魅了されたティファニー社は、「タンザナイト」と名づけ、アメリカを中心に人気を呼ぶ石となり、世界中に宝石として知られる石となりました。

タンザナイトの特徴

「タンザナイト」は灰簾石(かいれんせき、zoisite、ゾイサイト)に属しており、ケイ塩酸鉱物で含まれる元素によって色と名称が変わります。青紫色の「タンザナイト」は、バナジウムが含まれています。マンガンが含まれるとピンク色の「チューライト」で、クロムが含まれると緑色の「アニョライト」と呼ばれています。また強い多色性が特徴で、見る角度によって印象が変わります。自然光では透明感のある青色に、白熱灯では濃い紫色が楽しめます。タンザナイトは熱すると色が濃くなる性質を持つため、結晶の色合いを増すために一般的に加熱処理をすることがあります。

鉱物データ

英名Tanzanite
和名灰簾石(かいれんせき)※バナジウムを含むものをタンザナイト(ブルーゾイサイト)という
分類ケイ酸塩鉱物
化学式Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)
青紫色
劈開性完全
屈折率1.69-1.70
結晶系斜方晶系
断口貝殻状
条痕薄灰色
モース硬度6-7
比重3.35
光沢ガラス光沢
誕生石12月の誕生石
石言葉「冷静」「神秘」「高貴」「知性」
主な産地タンザニア

タンザニアの『宵の宝石 タンザナイト』

タンザナイトの産地であるアフリカに伝わる伝承をご紹介します。ゾイサイトとしての知名度はありませんでしたが、一躍有名になった出来事はキリマンジャロの麓・メレラニでのことです。激しい落雷で丘が炎に包まれました。その燃え広がる炎を見てマサイ族の間では「空からの魔法の火が土地を炎上させた」と囁かれています。火は一晩中激しく燃え、茶色のゾイサイトの岩石はきらめく青紫色の結晶に変化したそうです。タンザナイト誕生の、面白い伝承として伝わっています。

次にご紹介する内容は、タンザナイトの名前に関するエピソードです。タンザナイトは1966年に発見された新しい鉱物です。すでに名前を挙げていますが、有名ブランドの「ティファニー社」が、鉱物が発見された翌年の1967年に命名しました。ヘンリー・B・プラット(後のティファニー代表取締役)は、美しいタンザナイトの虜になってしまいました。気がかりだったのは、鉱物名である「ブルーゾイサイト」の響きです。英語の「スイサイド(自殺)」を連想させると危惧して、新しい名前を与えたそうです。もう1つは、タンザニアの雄大な夕焼けからインスピレーションを得たことです。青とも紫とも言い表せない神秘的な美しさから、「タンザナイトの夜=タンザナイト」と名付けられたと言われています。

最後に、ブルーゾイサイトとしての伝承です。古代ケルト民族の間では、「霊力を与える石」として大切にされていました。儀式の際には、必ず用いる特別な石として崇めていたようです。神の啓示・永遠・先人の英知を象徴していたブルータンザナイトを、精神性を高めるアイテムとして活用していました。

タンザナイトの石言葉

タンザナイトの石言葉は、「冷静」「神秘」「高貴」「知性」です。どのような事が起きようと冷静さを忘れず、正しい判断ができるようにサポートしてくれるような石です。タンザナイト特有の、品がある青紫色に惹かれる方も多いと思います。怒りや不安に駆られてしまった時にこの石に触れると、平常心を取り戻し心を落ち着かせてくれるような魅力があります。

タンザナイトのお手入れについて

タンザナイトのモース硬度は6.5〜7と割と高いですが、劈開性があるので一定方向に割れやすい性質を持っています。汗や皮脂を柔らかい布で優しく拭き取ってください。

汚れが気になる時は、中性洗剤を薄めたぬるま湯で優しく洗い、その後はしっかりと真水で洗浄して水気を拭き取りましょう。宝石のお手入れで注意する点は、衝撃に弱いので超音波洗浄やスチームクリーニングは避けてください。ジュエリーのタンザナイトの汚れに関しては、購入したジュエリーショップに相談することをおすすめします。

他の鉱物にも言えることですが、他の鉱物と一緒に保管しないようにしましょう。モース硬度の違いから、お互いを傷付けてしまうからです。

まとめ 〜古今が溶け合う神秘石 タンザナイト

タンザナイト(ブルーゾイサイト)はタンザニアのメレラニ鉱山で採掘されていますが、採れる量も少ないことから希少価値の高い鉱物といえます。1966年に発見された新しい鉱物なので伝承や逸話も少なく、有名ブランドがタンザナイトと命名したりと古代の石にはない面白味のあるエピソードが多いことも魅力でもあります。ゾイサイトの歴史は古く、古代ケルトの人々が聖石として崇めていた伝承があります。古代と近代が入り混じり、ノスタルジックな魅力が詰まった鉱物です。これからも、美しいタンザナイトの歴史が刻まれていくことでしょう。

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この記事を書いた人

天然石/鉱物に関するコラムを監修しています。

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