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ガーネット/GARNET 〜情熱と実りを象徴した鉱物〜

目次

ガーネットの魅力

ガーネットは深い赤色の結晶が印象的ですが、赤色の他に、褐色・黄色・緑色・橙色・黒色など豊富なカラーバリエーションがあります。原石は12面体・24面体の形をしているものが多く、非常に整った結晶で産出されます。人の手が加わっていない状態での美しい形は、まさに「自然が生み出した造形美」と言えるでしょう。

1粒の美しさも魅力的ですが、集合したガーネットはある果実を連想させます。それは、赤く艶やかな粒の果実「ザクロ」に似ていることから、和名「柘榴石」と命名されました。英名のガーネットも、ラテン語の「グラナトゥム(種がたくさんある)」からきています。ザクロの花言葉は「成熟した美しさ」です。見る人々を虜にするガーネットとザクロは、見た目も意味合いも通じるものがあると言えるでしょう。

ガーネットの特徴

一般的にガーネットは深い赤色の結晶が印象的なざくろ石のことを指します。ざくろ石は赤い色の他に、含まれている元素の量により褐色・黄色・緑色・橙色・黒色など彩りが豊かです。ガーネットは14〜15種類の鉱物グループの総称で、「パイロープ(苦ばんざくろ石)」「スペッサルティン(満ばんざくろ石)」「アルマンディン(鉄ばんざくろ石)」「グロッシュラー(灰ばんざくろ石)」「ウロバイト(灰クロムざくろ石)」「アンドラダイト(灰鉄ざくろ石)」などの多くの種類が存在しています。発掘される原石は、斜方12面体・偏菱24面体の整った結晶の他、塊状、砂状であらわれることもあります。

モース硬度が高い鉱物で、研磨剤として利用されています。紙やすりの表面はガーネットの細かい粒が散りばめられている製品があります。産出量も多くポピュラーな鉱物ですが、透明度が高く美しいものは宝飾に使用されます。

鉱物データ

英名Garnet
和名柘榴石(ざくろいし)
分類ケイ酸塩鉱物
化学式X3Y2(Sio4)3 ※XYは種類により異なる(X:Ca,Fe,Mg,Mn)(Y:Al,Cr,Fe,Ti)など
赤色、褐色、黄色、緑色、桃色、黒色など
劈開性なし
屈折率1.69-1.89
結晶系等軸晶系
断口亜貝殻状、凹凸状
条痕白色
モース硬度6.5-7.5
比重3.49-4.16
光沢ガラス光沢、樹脂光沢
誕生石12月の誕生石
石言葉「情熱」「真実」「貞節」「実り」「友愛」
主な産地アメリカ モンタナ州(満ばんざくろ石)、インド(ロードライトガーネット)、ノルウェー(灰鉄ざくろ石)、ドイツ(灰鉄ざくろ石)、オーストラリア(鉄版ざくろ石)など

暗闇を照らす『深紅の光 ガーネット』

ガーネットの歴史は古く、各国に様々な伝承や逸話が伝えられています。その多くが、美しい深紅の色合いによるものです。そして、人との関わりが深く多くの文献に登場しています。

まず最初に、旧約聖書の「創世記」に登場するノアの箱舟の伝承です。神様が地上の歴史をやり直すために、大洪水を起こしたお話です。その中でガーネットは、ノアの箱舟を照らし導くように厚い雲に覆われた暗闇をを照らしました。ノアの箱舟のカンテラは、ガーネットであったと言われています。こちらはユダヤに伝わる伝承で、ガーネットが古くから大切にされてきた聖なる石であったといえます。

次に、11世紀頃のヨーロッパに伝わる伝承です。ガーネットには強力な守護の力があるとされ、十字軍が遠征するときは必ず兵士に持たせていました。その理由は、赤い色が血を連想させることから「傷を受けることがない」と信じていたからです。同じ血にまつわる逸話は、古代ギリシャに伝わるものです。病気の治癒や魔除けの効果の他に、血のような色から出血や炎症を直す効果があるとされていました。

最後は、愛がテーマの逸話です。いつの時代かは明確ではありませんが、愛する人との別れのときに、再会の誓いとしてガーネットをお互いに贈り合ったそうです。または、友情の証として大切にされてきました。そのことから、「絆」や「一途な愛」の象徴として現代に受け継がれてきたのかもしれません。

ガーネットの石言葉

ガーネットの石言葉は、「情熱」「真実」「貞節」「実り」「友愛」です。情熱の石であり、変わらない愛と友情など多くの意味を持っています。原石がザクロのような形状であることから、「実り」を象徴する石とも言われています。

結束や血の誓いなど血液を重視した人々にとって、心身を捧げて忠誠を誓う意味を込めた聖石だったようです。その他にも、赤い色からエネルギッシュで生命力を象徴する意味も込められています。

ガーネットのお手入れについて

ガーネットはモース硬度も6〜7.5と硬く、水にも強いので比較的扱いやすい石です。普段使いでは、使用後は柔らかい布で優しく拭きます。そのことにより、美しさを維持することが可能です。汚れが気になったときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗います。その後は、真水でよく洗って水分を十分に拭き取ってください。

直射日光に長時間当てると、退色の恐れがあるので避けてください。種類によっては、含まれる成分の関係で変色にもつながります。また、保管時は他の石と一緒にすると傷つけてしまう可能性があります。別々に保管しましょう。

デマントイドガーネットは、他の種類に比べてモース硬度が低いので取り扱いには注意が必要です。

まとめ 〜情熱と実りを象徴した鉱物 ガーネット〜

ガーネットは、昔から「勝利」や「情熱」の象徴とされてきました。目に飛び込んでくる鮮やかな赤色は、見る人に情熱を与えて駆り立てているかのようです。見ていると、ネガティブな気分も消え失せて前向きになれる明るい印象の鉱物です。そのことから、恋愛では情熱的で愛を成就させる鉱物ともいわれてきました。また「実り」という別の顔も持っています。自身の努力を成功へと導きたいときにも、寄り添ってくれるような石です。

ガーネットは赤色の他にも、褐色・黄色・緑色・橙色など豊富なカラーバリエーションがありますので、お気に入りの一石を見つけてくださいね。

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この記事を書いた人

天然石/鉱物に関するコラムを監修しています。

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